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ナタマメタンパク質の論文が受理されました

西澤助手が取り組んでいるナタマメタンパク質に関する論文が受理されました。

Nishizawa K, Arii Y*. (2019). Structural transitions of sword bean canavalin in response to different salt concentrations. Heliyon, in press.

 本論文はナタマメから抽出されたカナバリンが塩濃度で可溶性を変える現象について、更に深くアプローチしたものです。水抽出されたカナバリンは一量体ですが、低濃度の塩を加えると凝集し沈殿します。さらに高濃度の塩を加えると再溶解しますが、このときカナバリンは三量体を形成することを明らかにしました。カナバリンは大豆のβ-コングリシニン(7Sグロブリン)とホモロジーが高い一次配列をもったグロブリンです。β-コングリシニンは豆腐形成に重要なタンパク質で、低い濃度の塩を加えることで凝集、沈殿することが分かっています。また、抽出時には高い塩濃度で溶解することが知られており、そのX線結晶構造解析は三量体を形成していることが知られています。しかしながら、大豆の中でどのような四次構造をとっているかは分かっていません。一方で、タチナタマメ(Jackbean)のカナバリン(ナタマメのカナバリンとは一次構造上アミノ酸が2残基のみ異なる)の結晶構造も三量体を形成していることが分かっています(結晶化条件には塩が含まれている)。今回の論文は、β-コングリシニンも水抽出した時点(豆乳中)では一量体なのかもしれないと推察させる結果となります。

 本論文は、西澤助手の文部科学省科学研究費補助金若手研究(18K14426)「加工食品への利用に向けた二価金属イオン沈殿特性の違いによる雑豆タンパク質の分類」によって実施された内容です。サポートに感謝しております。

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