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 研究室で開発した“ハチミツで豆乳を固める技術”を利用して、神戸の企業ハートスフードクリエーツ株式会社が低カロリーで新食感のスイーツを開発してくれました。その名も豆蜂(トーファン)です。本スイーツには、豆蜂に抹茶のゼリー、日本栗の甘露煮、さつまいもの甘露煮、あずき、黒豆がトッピングされた抹茶味と紅茶のゼリー、ネーブルがトッピングされた紅茶味があります。淡路島で日本蜜蜂が集蜜してくれた貴重なハチミツをふんだんに使用した豆蜂部分には、ハチミツと豆乳以外は使用していません。とてもヘルシーな一品です。

 2021年7月から神戸御影にあるTOKINONEにて販売しています。是非ともご賞味ください。

開発秘話 本商品に利用されている“ハチミツで豆乳を固める”技術は、研究室が長年実施している豆腐の研究からアイデアが生まれ、特許も取得しています。ハチミツにはグルコン酸が豊富に含まれます。豆腐の凝固剤の一つであるグルコノデルタラクトンは、豆乳の中でグルコン酸に代わり、豆乳のpHが低下させることで、豆乳タンパク質を沈殿させます。この現象からヒントを得て、卒業研究で豆乳を固めるのに適したハチミツを見つけるために、20種類以上のハチミツをスクリーニングし、淡路島産ハチミツが選ばれました。そして、ハートスフードクリエーツの指導のもと、スイーツの開発、スイーツのネーミング(豆蜂は造語)、容器の選定、帯のデザイン、栄養成分表示の作成を学生が行いました。本開発は、公益財団法人日本農芸化学会 100周年記念事業 第2回農芸化学中小企業産学・産官連携研究助成により実施されました。

関連する成果

  1. Arii Y*, Nishizawa K. (2022). Development of Tofun: A New Sweet Confection Made from Soymilk and Honey. Heliyon, 8, e10454. > publication

  2. ​Arii Y*, Nishizawa K. (2022). Development of Tofun: A New Sweet Confection Made from Soymilk and Honey. SSRN Electronic Journal, 4046864. > open platform

  3. Nishizawa K, Sano Y, Arii Y*. (2021). Gluconic acid content is negatively correlated with total sugar content in honey. J. Apic. Res. > online publication

  4. Arii Y*, Nishizawa K. (2020). Honey-mediated aggregation of soymilk proteins. Heliyon, 6, e03673.(査読有)> publication

  5. 「豆乳タンパク質凝集物の製造方法、およびそれを利用して蜂蜜のグルコン酸量および糖量を判別する方法」(国内)​特許7220889号、特願2018-211706(2018年11月9日)、特開2020-74735(2020年5月21日). 発明者:有井康博、西澤果穂. 出願人:学校法人武庫川学院

  6. 神戸新聞NEXT.「蜂蜜と豆乳で新スイーツ 甘みあるのに低カロリー 武庫川女子大と神戸の食品会社開発」(2021年7月19日)

  7. 朝日新聞デジタル.「豆乳×蜂蜜のスイーツ「豆蜂」武庫川女子大学などが開発」(​2021年6月27日)

  8. 大学プレスセンターおよびその転載分.「特許申請中の新技術から生まれたスイーツ 豆蜂(トーファン)発売へ」大学ニュース/先端研究(2021年6月2日)>朝日新聞デジタルマガジン読売新聞オンライン毎日新聞紀伊民報沖縄タイムズ北海道新聞;財経新聞;SankeiBiz;CNET JapanAFP BB NewsSweets News clipZDNet JapanORICON NEWS​;excite news他に転載。

 豆蜂の開発で問題だった、持ち運びの難しさや原価の高さを解決するために、豆乳、グルコノデルタラクトン、砂糖のみで作ることができる豆腐プリン(仮称)を開発しました。豆腐プリンは、プリンで使用する牛乳や卵を使用しておらず、牛乳アレルギーや卵アレルギーの人も食べることができます。素材自体は植物性ですので、精製糖を未精製な糖に置き換えることで、ヴィーガンに対応したスイーツにもなっています。物性が消費者庁のえん下困難者用食品許可基準値内であることから、えん下困難な人も食すことができる可能性を持っています。消費者テストを行なったところ、自由記述にはハチミツの味がしたという記述がいくつか見受けられました。物性の測定からプリンに近い物性であることも示され、課題であった持ち運びが解決されました。安価な素材を使用できたこともあり、原価も安く抑えられています。精製糖を使用したものは、豆腐の風味が気になる人もいるようですが、未精製な糖を使用したものは、より豆腐の風味が抑えられています。豆腐プリンは家庭で調理できる方法にこだわって開発しているので、レシピが必要な人はご連絡ください。また、実用化を希望していますので、ご興味ある企業様はご連絡いただけると幸いです。

豆腐プリン(仮称)

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関連する成果

  1. Arii Y*, Nishizawa K. (2024). Influence of ingredients on the physical properties and taste of a new plant-based sweet confection being developed for individuals with food restrictions. Int. J. Gastron. Food Sci., 35, 100859.(査読有)> publication

  2. 大学プレスセンターおよびその転載分.「豆蜂」で特許取得の武庫川女子大学食品科学研究室が、食物アレルギーやえん下障害の人に向けた進化系スイーツを開発」/先端研究(2024年2月8日)、紀伊民報AGARA; 沖縄タイムス

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