豆腐の作り分けに関する論文”Divalent magnesium cation concentrations determine the formation of tofu-like precipitates with differing urea solubilities”がHeliyonに受理されました。この論文では、絹ごし豆腐様のなめらかな沈殿と木綿豆腐様の荒い沈殿が、マグネシウム濃度の違いによって作り分けられるということを証明しています。また、金属製の凝固剤に含まれる陰イオンが豆腐様沈殿中のタンパク質の部分的な変性に影響を与えていることも明らかにしています。これらの結果により、江戸時代に発見された絹ごし豆腐の加工法(伝統的な加工法)において、にがりの濃度を変えることで絹ごし豆腐と木綿豆腐を作り分けることができるということを、科学的に説明できるようになりました。本論文はオープンアクセスですので、公開されましたら、是非ともお読みください。
本研究は、公益財団法人飯島藤十郎記念食品科学振興財団平成28年度学術研究助成において助成いただきました。感謝を申し上げます。また、本研究は、4期生の香川さん、番匠さん、6期生の陶器さん、長島さん、7期生の西さん、西尾さんが卒業研究で一生懸命に取り組んでくれることで5年の月日がかかりましたが、やっと報告することができました。6人のご尽力に感謝します。