Detection of an Interaction between Prion Protein and Neuregulin I-β1 by Fluorescence Resonance Energy Transfer Analysis
Yasuhiro Arii, Hidenori Yamaguchi, Masayuki Yamasaki, Shin-Ichi Fukuoka
がBiosci. Biotechnol. Biochemに受理されました。
プリオンタンパク質の生体内における機能は不明なままです。すなわち、プリオン病の原因がプロテアーゼ耐性型のプリオンタンパク質の蓄積による毒性発現によるものか、プリオンタンパク質の機能不全によるものか、その両方によるものか、結論に至っていません。
神経栄養因子の一つであるニューレグリンの精製過程においてプリオンタンパク質と共精製されたという報告があり、著者らは以前の研究で大腸菌内不溶性画分に生産される組換え型プリオンタンパク質をニューレグリンと共発現させることで可溶性に生産することに成功しています。この論文では、各タンパク質と蛍光タンパク質の融合タンパク質を生産し、プリオンタンパク質とニューレグリンの相互作用の検出を蛍光共鳴エネルギー移動法を用いて検出することに成功しました。また、その相互作用部位がプリオンタンパク質のC末端ドメインにあることも明らかにし、その結合定数を明らかにしました。本相互作用はナノレベルで行われる相互作用であり、プリオンタンパク質の生理機能である可能性が示されました。