本学の吉田徹先生、田中翠先生、福尾惠介先生、他機関の他5名との共同研究がCryoLettersに受理されました。
本論文はブライン・シュリンプ(Artemia franciscana)の水和した卵を凍結する保存する際に、緩慢凍結が重要であることを示しています。通常の凍結過程においては急速に凍結することが細胞を壊さない秘訣であるとされています。今回の緩慢凍結によってブライン・シュリンプの孵化率が維持された要因としてトレハロースの存在が考えられました。また、熱力学的な解析により、緩慢凍結時に卵の中で狭い温度帯で凍結が起こっていることが明らかになりました。急速凍結が細胞を守る凍結におけるポイントとされてきた常識を覆す結果は、凍結現象の奥の深さを示すものであり、今回のブライン・シュリンプの卵以外にも同じような緩慢凍結が適している食品や生物の存在を示唆するものである。